神戸地方裁判所 昭和50年(わ)89号 判決
本店
神戸市長田区六番町七丁目二番地
商号
合資会社原田パン
代表者
原田増太郎
本籍
神戸市兵庫区上三番町四七番地
住居
同市長田区六番町七丁目二番地
会社役員
原田増太郎
大正七年一二月一日生
右合資会社原田パンに対する法人税法違反、右原田増太郎に対する法人税法、所得税法違反被告事件について、当裁判所は検察官萩原三郎出席の上審理し、次のとおり判決する。
主文
被告合資会社原田パンを罰金四〇〇万円に、被告人原田増太郎を懲役一〇月および罰金六〇〇万円にそれぞれ処する。
被告人原田増太郎において右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。
本裁判確定の日から二年間右被告人原田増太郎の懲役刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事由)
起訴状記載の公訴事実と同一であるから、ここにこれを引用する。
(証拠の標目)
検察官請求証拠目録のとおりであるから、ここにこれを引用する。
(法令の適用)
一、該当法条 第一の一ないし三、-法人税法一六四条一項、一五九条一項、
第二の一、二-所得税法二三八条一項、一二〇条一項三号
二、併合加重 第一の一ないし三、第二の一、二の被告人原田増太郎の懲役刑について-刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(最も犯情の重い第二の二の罪の刑に法定の加重をなす)第一の(一)ないし(三)の法人の罰全刑について-刑法四八条二項、第一の(一)ないし(三)、第二の(一)、(二)の被告人原田増太郎の罰金刑について-刑法四八条二項
三、換刑処分 被告人原田増太郎の罰金刑について、刑法一八条
四、執行猶予 被告人原田増太郎の懲役刑について、刑法二五条一項
よつて主文のとおり判決する。
(裁判官 上野智)
起訴状
左記被告事件につき公訴を提起する。
昭和五〇年二月二四日
神戸地方検察庁
検察官検事 樋口禎志
神戸地方裁判所 殿
法人の本店 神戸市長田区六番町七丁目二番地
法人の商号 合資会社原田パン
代表者の住所 神戸市長田区六番町七丁目二番地
代表者の氏名 原田増太郎
本籍 神戸市兵庫区上三条町四七番地
住居 神戸市長田区六番町七丁目二番地
職業 会社役員
在宅 原田増太郎
大正七年一二月一日生
公訴事実
被告会社合資会社原田パンは、神戸市長田区六番町七丁目二番地に本店を置き、パン及び菓子類の製造販売を業とするもの、被告人原田増太郎は、被告会社の代表社員としてその業務全般を統轄しているほか、株式など有価証券の売買等を行つているものであるが、被告人原田増太郎は、
第一 被告会社の業務に関し、その法人税を免れようと企て、
一 昭和四六年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における実際の所得金額は三、八一六万七、二四八円、これに対する法人税額は一、三五八万六、五〇〇円であるのにかかわらず、期末通知預金残高を過少に計上するほか、支払小切手の金額を水増しするなどの方法により、所得の一部を秘匿したうえ、同四七年二月二八日、所轄長田税務署において、同署長に対し、所得金額が一、六一六万七、五〇二円、これに対する法人税額が五五〇万二、七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、同事業年度の法人税八〇八万三、八〇〇円を免れ、
二 同四七年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における実際の所得金額は四、〇三三万八、一八九円、これに対する法人税額は一、四四二万六、一〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正手段を講じたうえ、同四八年二月二七日、所轄長田税務署において、同署長に対し、所得金額が二、一六三万三、四四六円、これに対する法人税額が七五五万二、八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、同事業年度の法人税六八七万三、三〇〇円を免れ、
三 同四八年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における実際の所得金額は四、二〇六万三、〇七七円、これに対する法人税額は一、五〇二万一、九〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正手段を講じたうえ、同四九年二月二八日、所轄長田税務署において、同署長に対し、所得金額が二、五一五万九、一五七円、これに対する法人税額が八八一万二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、同事業年度の法人税六二一万一、七〇〇円を免れ、
第二 自己の所得税を免れようと企て、
一 昭和四六年分の実際の所得金額は、三、八八一万二、一六九円、これに対する所得税額は一、九四四万二、〇〇〇円であるのにかかわらず、株式など有価証券を架空名義等で売買するほか、株式配当金を他人名義等で受取るなどの方法により、所得の一部を秘匿したうえ、同四七年三月一四日、所轄長田税務署において、同署長に対し、所得金額が五二七万八、三〇七円、これに対する所得税額が八五万六、〇〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、所得税一、八五八万六、〇〇〇円を免れ、
二 同四七年分の実際の所得金額は六、九二八万八、五三七円、これに対する所得税額は三、九五七万三、三〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正手段を講じたうえ、同四八年三月一四日、所轄長田税務署において、同署長に対し、所得金額が五六九万三、九六二円、これに対する所得税額が九五万八、七〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、所得税三、八六一万四、六〇〇円を免れ
たものである。
罪名及び罰条
第一の事実 法人税法違反 同法一五九条、一六四条一項
第二の事実 所得税法違反 同法二三八条、一二〇条一項三号